姿勢について
2023/10/30
姿勢とは?
自分の立ち姿勢や座り姿勢を気にしたことはありますか?
自分にとって楽な姿勢が、良い姿勢とは限りません。むしろ悪い姿勢が習慣付いていることが多いのです。
畳に座る時左の横座りが多かったか、右の横座りが多かったか、あぐらだったか、寝る姿勢として右が下か左が下か、椅子に座って足を組むクセがあったか、スマホを見ている時背中が丸まってないか、就業時の座位姿勢あるいは立位姿勢はどうなっているか、車を運転している時のハンドルを持つ姿勢やバックをする時の姿勢はどうか、椅子から立ち上がる時に右足か左足のどちらかに体重をかけるクセがあるか、ショルダーバックを右肩か左肩のどちらに下げるのが楽か、歩くときに鞄を持った側の手は持っていない側の手と同じように振れているか、……などが、知らず知らずに今の自分の姿勢に影響を与えているのです。
また、捻挫、打撲、肉離れ、骨折、腰痛など体を痛めるたびに、そのケガの部分を補おうとして、他の筋肉や関節に負担が生じ、それも姿勢に影響してきます。さらにスポーツや趣味を行っている時の姿勢特性も加わり、今あなたの姿勢が形つくられてきてしまったのです。つまり、無意識のうちに今の姿勢が自然に作られ、それは決して良い姿勢とは限りません。
楽だけど悪い姿勢を治すためには、自分の偏った姿勢を知り、その姿勢を正すために意識を変革する必要があるのです。
不良姿勢とは?
皮膚、筋肉、筋膜、関節などに障害があると、正しい姿勢がとれなくなり、これを「不良姿勢」といいます。この不良姿勢がもとで不快感や痛みをもたらすことがあります。
不良姿勢のきっかけは、日常生活のちょっとしたクセや無意識のうちに身についた動かしやすい運動方向への反復動作、同じ姿勢を取り続けることで筋肉が緊張し、収縮した状態が持続してしまうことです。
特に全身のバランスの不均衡が少しずつ体への負荷となり、身体のアライメント不良となっていき、不良姿勢が身につくことになるのです。その不良姿勢による負担が大きいほど、関節にも硬さや変形を生じさせることになります。関節から先に異常をきたす(骨折、手術など)こともありますが、ほとんどは筋、筋膜のバランスが崩れることが原因で不良姿勢になるのです。
筋、筋膜のバランスが崩れる原因は、ライフスタイルやこれまでやってきたスポーツ、趣味、ケガの既往などさまざまです。多様な不良姿勢が、どのような原因でバランスを崩してしまったかを知ることは正しい理想的な姿勢を取り戻すうえで非常に大切です。
正しい姿勢を獲得するには?
正しい姿勢と動作を獲得するためには、正しい医学的理論を知ることが大切です。いろいろな情報をつまみ食いしても、テレビの情報番組を参考にしてもなかなか正しい姿勢は身につきません。メディアから得られる情報は限られたものであり、しかもすべての人に当てはまるわけではない、という認識がまず必要です。
肩が凝るからといって肩だけに注目してもダメですし、腰痛だからといって腰だけを治療してもダメ、膝が変形してきているからといって膝だけを治療してもダメなのです。
大切なのは、正しい医学的理論にもとづき、体全体を通してバランスを調整することです。
そのためには、自分の悪い箇所や動きを知り、正しい方法を諦めないで継続していくことが必要です。
不良姿勢によって生じる障害
不良姿勢は、筋、筋膜のバランスが崩れたり関節アライメントの変位などの原因によって生じます。その不良姿勢によって、
・感覚器官など知覚構造への機械的負荷と、筋張力による頭痛などの疼痛
・筋、関節または筋膜の動きが制限された部位の可動性低下および対側の可動性障害
・拮抗筋の間に生じる筋の長さや筋力のインバランスによる筋パフォーマンスの障害
・筋持久力の不足による筋パフォーマンスの障害・乱れ
・安定化筋の機能低下による姿勢制御の不足
・心肺持久力の低下
・神経筋による制御不良および長期間にわたる不良姿勢の習慣による姿勢に関する運動感覚の変化
・健康的な脊椎の制御と力学に関する知識の欠如
これらの障害を解消するためには、筋・筋膜のバランスの崩れを修正し、関節のアライメント変位を修正することが重要となります。
良い姿勢を維持するための条件
良い姿勢を維持するには、次のような状態になっていることが求められます。
①力学的に安定
重心位置が正しい場所にあること。身体は重力下では各関節のバランスをとるために、筋・靭帯などの活動が必要となりますが、この活動が少ない方が力学的に安定した良い姿勢といえます。
②生理学的に安定
長時間にわたって同一姿勢を保持していると、静的姿勢を保持するために筋肉が動かないまま力が入っている状態を強いられ、筋疲労が生じます。筋の過剰な収縮を防ぐためには、頻繁に姿勢を変えることも必要です。また、消費エネルギーを最小に抑えることも良い姿勢の保持に繋がります。医学的には、循環器・呼吸器・消火器などに過剰な負担がかからない姿勢も「良い姿勢」の条件となります。また、作業姿勢についても考える必要があります。生理学的に安定した良い姿勢で作業するには、作業効率が高く、快適に作業できる姿勢が必要になります。使っている机や椅子の高さ、机の広さ、流し台の高さなど環境要因も大切です。
③心理的に安定
姿勢には心理的な影響も反映されます。安定した心理状態は脊柱の伸びた良い姿勢に繋がり、不安や劣等感などの心理状態は、背中の丸まった姿勢につながりやすくなります。
④美的に美しい
人間の美の形式には、釣り合い(バランス)、律動、均整、プロポーション、躍動感などがあげられます。
①~④が正常に機能しあえば、身体各部は正常なアライメントを維持することが可能となります。しかし、これらのいずれかに問題が生じると不良姿勢の持続的な保持や、特定方向への関節運動の反復が生じ、構成要素の機能障害とその相互作用によって不良姿勢や運動機能障害が進行することになります。
椅子に座った姿勢での胸椎後弯、頭部前方位姿勢は本人は安定した楽な姿勢と思いがちですが、これは決して良い姿勢とはいえません。
立位での不良姿勢タイプ
〇理想的な立位姿勢
横から見た重心線が、耳、肩、大転子、膝関節、外くるぶしの2~3㎝前を通ります。
〇後弯前弯型
この姿勢で特徴的なのは骨盤前傾のアライメントです。骨盤が前傾することにより、腰椎の前弯と胸椎の後弯が増強し頭部が前方に位置して頚椎が過伸展します。
妊婦、肥満、腹筋の筋力低下などが原因で起こります。主に症状として、前部、頚部、下顎のアライメント不良による偏頭痛や顔面筋の緊張を伴う顎関節痛、椎間孔の狭窄、椎間板の退行変化による神経根症状などが多くみられます。
〇後弯平坦型
この姿勢で特徴的なのは骨盤後傾のアライメントです。骨盤が後傾することにより、腰椎が平坦となり上部体幹の後方変位を伴う長い胸椎後弯、頚椎軽度伸展によって頭部前方位となります。大腿後面の筋肉が短縮になり常に張っており、大腿前面の弱化が良く見られます。
重力の影響、前かがみ姿勢、座位時の不良姿勢、長時間立位で疲労した時などの原因で起こります。主に症状として、胸郭出口症候群、頚部神経叢の絞扼、緊張性頭痛、胸部後面の筋力低下、下位腰椎椎間孔の狭窄などが多くみられる。
〇平背型
この姿勢で特徴的なのは、「腰椎平坦」つまり、正常な生理学的な腰椎弯曲(脊柱の正常なS字カーブ)が見られない、フラットな状態になっています。腰椎に正常な弯曲がないと、腰部の衝撃吸収作用が低下し、損傷を受けやすくなります。
座位や立位姿勢で上半身の前かがみが持続している人に生じやすい。
主に症状として、腰を曲げた際に髄核が突出し腰椎椎間板ヘルニアを発症したり腰部の衝撃吸収作用低下、頭部頚部のアライメント不良による偏頭痛、顔面筋、顎関節痛などがあげられます。
----------------------------------------------------------------------
VIGOROUS鍼灸接骨院
〒761-8071
香川県高松市伏石町2084-10 中家ビル1階南側
電話番号 : 087-802-9225
ベストな骨盤矯正を高松市で
----------------------------------------------------------------------